しかし兵器は少女である
すべては閑話に過ぎない
目覚めた朝は晴れていて、血や生物の重みなど一切感じないというのに、手触りのない陽光こそが、あたたかかった。
なぜかわからない。
ただ、初めて空の広さを目の当たりにし、その大きさに飲み込まれた時のように、空を見つめた。
見つめては、あたたかさに体の節々が柔らかくなり、私は中庭、目を閉じて棒立ちしていた。
――ところへ、
「?」
殺気とは違う、しかし、熱視線を感じた。
左側、生け垣のアーチを越えた、バラの茂みの、根本。
なにか、いる。こちらを、見ている。
なんだ?
威圧感も存在感も空間へ押し出してこないのに、たしかにそこにいるというのを認識させる、なにもの。
「出て、こい」
と、言ったのがよかったか悪かったか、
「! 待て!!」
あれほど注がれていた眼差しが、あっさりと外された。
気配が突然、どこかへと疾走を始める。
私はつい、追いかけていた。
なぜかわからない。
ただ、初めて空の広さを目の当たりにし、その大きさに飲み込まれた時のように、空を見つめた。
見つめては、あたたかさに体の節々が柔らかくなり、私は中庭、目を閉じて棒立ちしていた。
――ところへ、
「?」
殺気とは違う、しかし、熱視線を感じた。
左側、生け垣のアーチを越えた、バラの茂みの、根本。
なにか、いる。こちらを、見ている。
なんだ?
威圧感も存在感も空間へ押し出してこないのに、たしかにそこにいるというのを認識させる、なにもの。
「出て、こい」
と、言ったのがよかったか悪かったか、
「! 待て!!」
あれほど注がれていた眼差しが、あっさりと外された。
気配が突然、どこかへと疾走を始める。
私はつい、追いかけていた。
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