しかし兵器は少女である
勢いよく駆け出したはいいものの……
白猫は足が速かった。一度見失っては、またどう追いつけばいいのか。
居所も、見当がつかない。
しかし、諦めたくない。
高みから探そうと考え、跳んだ。
屋敷のベランダまで一歩で足をかけ、さらに踏みつける。
屋根のへりを掴み、体を反転させて、着地する。
ワンピースの裾が、長い長い赤髪が、靡いた。
余韻を膝で吸収し、体をまっすぐに、立つ。
お祖父様の屋敷は、こうして見れば、広かった。
私がいたケースの中とは、比べようがない。
およそ屋根の高さから見渡せるすべて、地平線すら縁取る緑の庭園が、ここの敷地。
広い。
私ひとりでは、あるいは迷ってしまうかもしれない。
一瞬、これほど莫大な世界に自分がいるかと思うと、その小ささに、身が震えた。
私は、なんという世界に、いるのだろう。
が、世界はこの庭よりも、さらに、もっと、ずっと、いっぱい、たくさん、すごく、広いらしい。
私はまだ、まだ知らないことが多い。
白猫は足が速かった。一度見失っては、またどう追いつけばいいのか。
居所も、見当がつかない。
しかし、諦めたくない。
高みから探そうと考え、跳んだ。
屋敷のベランダまで一歩で足をかけ、さらに踏みつける。
屋根のへりを掴み、体を反転させて、着地する。
ワンピースの裾が、長い長い赤髪が、靡いた。
余韻を膝で吸収し、体をまっすぐに、立つ。
お祖父様の屋敷は、こうして見れば、広かった。
私がいたケースの中とは、比べようがない。
およそ屋根の高さから見渡せるすべて、地平線すら縁取る緑の庭園が、ここの敷地。
広い。
私ひとりでは、あるいは迷ってしまうかもしれない。
一瞬、これほど莫大な世界に自分がいるかと思うと、その小ささに、身が震えた。
私は、なんという世界に、いるのだろう。
が、世界はこの庭よりも、さらに、もっと、ずっと、いっぱい、たくさん、すごく、広いらしい。
私はまだ、まだ知らないことが多い。