しかし兵器は少女である
「!」
と、見渡す庭園にひとつ、
「いた!」
白い小さな獣が、たおやかな四肢で歩いているのを、見つけた。
まるで貴婦人のように気取った歩調の白猫までの距離は、直線で百メートル、あるかないか。
狙いを定める。
身を低くし、膝に力を圧縮する。
解放。
私は大きく速やかに、空へ跳んだ。
跳躍によって生まれた風が、また私の髪とワンピースをはためかせる。
その音、空を抜ける心地よさに一瞬目を閉じ、
ひらいた。
白猫までの距離も速さも、絶妙。
あとはこの両手で掴まえ――
(!!)
はたと気付いた。
私の力は、思いのほか強い。
力加減を誤れば、猫を握り潰してしまう。
そしたら、給仕に見せてやれなくなる。
迷って、悩んで、戸惑って……知識も、満足な答えを与えてくれない。
手加減しなければいけないのはわかるが、どれくらい?
その疑問が――猫に気取られた。
なにを察知したのか、猫がこちらを振り向いたのだ。
と、見渡す庭園にひとつ、
「いた!」
白い小さな獣が、たおやかな四肢で歩いているのを、見つけた。
まるで貴婦人のように気取った歩調の白猫までの距離は、直線で百メートル、あるかないか。
狙いを定める。
身を低くし、膝に力を圧縮する。
解放。
私は大きく速やかに、空へ跳んだ。
跳躍によって生まれた風が、また私の髪とワンピースをはためかせる。
その音、空を抜ける心地よさに一瞬目を閉じ、
ひらいた。
白猫までの距離も速さも、絶妙。
あとはこの両手で掴まえ――
(!!)
はたと気付いた。
私の力は、思いのほか強い。
力加減を誤れば、猫を握り潰してしまう。
そしたら、給仕に見せてやれなくなる。
迷って、悩んで、戸惑って……知識も、満足な答えを与えてくれない。
手加減しなければいけないのはわかるが、どれくらい?
その疑問が――猫に気取られた。
なにを察知したのか、猫がこちらを振り向いたのだ。