君の隣にいたい
第1章
おしまい
___高校一年の6月はじめ
私___北川蘭那は、
1年3組の教室で
6月の後半にあるスポーツ大会に出場する種目に頭を悩ませているところだった。
「らんなー!あたしバドに出ようかな〜?それくらいしか出来そうにないや」
前の席を振り返って言ったのは、
幼馴染の西山つき。
顎らいんまでのショートで黒髪の私とは違って
つきは、ココアみたいな髪色で毛先がふわふわとした胸元まである髪をおろしていてすごく女の子らしい。
憧れの存在だ。
「んー、つきはそれで良いんじゃないかな??私はバレーしかないよ」
私は元バレー部だ。
小学校から続けていたバレーは、高校になってから続けようかとも考えたがやっぱり技術面でも伸びないと諦めやめることにした。
今は高校から吹奏楽に入っている。
「らんならしいね。私は一応バド部だけど、それ以外の運動なんて全然だからさ、羨ましいよ」
と、小さく微笑んでまた種目一覧に目を通した。
うちの高校のスポーツ大会の種目は、
サッカー、バスケ、バレー、バド、野球、ソフトボール、テニス、卓球の8種目だ。
学年の人数が500なんたら人と、人数が多めだから1人1つの種目しか出れない。
だから、大体の人がガチ勢だ
私もガチ勢。初心者とか関係なく戦うつもりだ。
「俺、なんにしよーかなー」
後ろの席で西和田 克樹(にしわだ かつき)君が隣の席の親友_富永 祐希(とみなが ゆうき)君に相談している。
「かつきは運動神経良いからさーなんでも出来そーだもんなー、俺は野球部だし野球に決まってっけどな!」
「そっかー、俺は……あ、蘭奈ちゃんは何にすんの?」
「えっ」
突然振られる話題にびっくりして振り返る。
かつき君の大きな目に自分の瞳が吸い込まれながら「バレーだよ」って答える。
それを不思議そうな顔で眺めるつき。