知らない彼が襲いにきます
街に着くと、私は真っ先に酒屋に足を運んだ。


酒屋は、政治から恋愛までさまざまな情報が飛び交う場所だ。


それらの話の一つ一つの信ぴょう性は薄いが、とにかく情報量が多い。


どんな小さな手がかりでもいいから手に入れたい私には、格好の場所だ。



「こんばんは」



ドアを開けると、カランカランとベルが鳴る。



「いらっしゃい」



気前の良い店主が、シェーカーを振りながら私を迎えた。



「ああ、いつもの嬢ちゃんだね。久しぶり。こんな時間に珍しい」


しょっちゅう酒屋に来てはエヴァンの情報を求める私は、ここの常連客たちの中ではちょっとした有名人になっている。



「どうしたんだい?そんなぼろの服を着て。前はもっと可愛らしい格好をしていただろう?」



店主がすぐに私の服装の違いに気がついた。


私は弱々しく笑ってごまかす。
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