知らない彼が襲いにきます
肩まで長い、さらりと流れるような金髪。


中性的で整った顔立ち。


細身の身体。


極めつけは――エヴァンによく似た、深緑色の瞳だ。



「……綺麗」



思わずそう呟くと、彼は少し誇らしげに微笑んだ。


何気ないその仕草すら様になっている。


街でどんなにもてはやされている役者であっても、彼の放つ魅力には適わないだろう。


まるでこの世の者ではないような、と言っても過言ではない美しさ。



――この世の者では、ない?



私は彼を凝視した。


その背中には、金色に光り輝く半透明の翼が生えている。


それは、まるで神話に出てくる天使のような。


彼に魅せられて、私からは抵抗の意思がなくなってしまっていた。
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