知らない彼が襲いにきます
「やっぱり……また、来たのね」
風もないのにかたかたと鳴る窓枠を見て、私はつぶやいた。
ほどなくして、彼が窓から侵入してくる。
「ねえ、こんな関係、いけないと思うのよ」
私は、自分の理性がまだ保たれているうちに、彼にたたみかける。
愛情もないのに、素性の知れない男性とただ体だけ重ねるだけという状況は良くないに決まっている。
しかし――エヴァンによく似た深緑色の目が、私を射抜くように見つめれば、すぐさま条件反射的に甘い欲求が体を突き抜ける。
抱いて、ほしいと。
そんな私の心の内を見透かしたかのように、彼はにやりと笑った。
相変わらず、言葉では形容しがたいほど美しい。
彼の唇が重ねられる。
私の口から、甘い吐息が漏れる。