知らない彼が襲いにきます
いや、待っているだけではない。


エヴァンがいなくなってからというもの、暇さえあれば私は街に向かって、彼を探し回り続けてきた。


十六歳になった今も、彼の居場所を突き止めるための手がかりを求めて定期的に街に出ている。


しかし悲しいことに、彼に関する情報はこの四年間でほとんど手に入らなかった。


分かったのは、彼には父も母もおらず、天涯孤独の身であるということだけだ。


はっきり言って、これ以上の情報が見つかる望みは薄いだろう。


しかし、それでも私は諦めたくない。


今日は家庭教師が休みだから、久しぶりに街へ行ってエヴァンに関して何か知っている人がいないか聞きに行こう。


――そう思って立ち上がり、着替えの服を手にした時だった。
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