苦しくて、愛おしくて
翌日。
「よろしくね〜、亜胡って呼んで」
「うん、私も奈央でいいよ」
もう1人の友達はほんわかと女の子らしいタイプの子で、話すとつい和んじゃいそう。
「彩花と亜子は去年も同じクラスだったの?」
「うん! 一緒にはつるんでいなかったけどその時から割と仲良かったよね」
「ね。でも彩花はよく奈央のこと「あの子可愛い〜」って言ってたから私も知ってる」
嬉しいけど、それもまた反応に困る。
とりあえず「えー? へへ…」と薄ら笑いを浮かべてみたけど、キモすぎて何も示さない方がマシだったかもしれない。
「だからぜーーったい仲良くなろう!って決めてたの。それで昨日速攻話しかけに行った」
「さすがだよねぇ、彩花も」
「だってモジモジしてたら
他の子に取られちゃうじゃん?」
「も、いーよ私のことは」
お腹いっぱいです、と恥ずかしがると
2人は声を揃えて笑った。