苦しくて、愛おしくて
「さすが凛だ〜。
これなら間に合うよ」
「おかげでこっちは完全に遅刻だけどな」
「気にすんな」
「うぜー」
都合が悪いとこはスルーして
凛の頭をよしよしと撫でる。
もう見慣れたその不満げな表情は
すっかりあどけなさが消えていた。
それでも私と凛は相変わらずで。
毎日とは言わないけれど、かなりの頻度で顔を合わせてはいる。
「帰りは?」
「え、なに来てくれるの?」
「イヤだけど」
じゃなんで今聞いたし。
「いいよ別に。普通に歩いて帰る」
「あっそ」
さすがに行きも帰りも迎えに来いと命令する程私も鬼ではない。