苦しくて、愛おしくて
11月も半ばに入った頃。
凛がとうとう本格的に勉強を始めだした。
(いや割と遅いよ)
どこを受けるのかは未だに教えてくれないけど
そこまで偏差値の高いところを目指してるわけじゃないのは、勉強を始める時期からして察せる。
「あんたねー、凛くん勉強で忙しいんだから、当分遊びに行くのは控えなさいよ?」
「んー…」
受験が差し迫った時期になってくるとお母さんも凛を応援したいのか、ソファーでぐうたらスマホをいじる私を、ジロリと睨んできた。
なにそれ、まるで邪魔者みたいじゃんわたし。
「今が1番大事な時期なんだから」
「分かってるって、だから顔出しにしか行ってないし」
「だからそれをやめなさいって」
なんで顔出すことが邪魔なことになるのさ。
こないだは遥にも、凛くんの邪魔になることしたりしてない?なんて、余計なお世話を言われたばかりなのに。