苦しくて、愛おしくて



ムカついたから、言われた通り上がってやると

「……」

やたらいい匂いがして、再び心臓をくすぐられる。

「…ウケるな」
(※ウケる=萌える)

「え、なにが?」

「こっちの話」

何も気にしてない様子の奈央は、仮にもベットの上だというのに口数が一つも減らない。

「予告すっ飛ばしていい?」

「どーぞ」

「あと字幕にしたい」

「いいんじゃない」

「てかパソコン低い! 観づらい!」

「気づくの遅ぇーよ。いいじゃん下で観れば」

「だって下だと時間経つとお尻痛くなるんだもん」


奈央は棚から収納ボックスを引っ張り出し、テーブルの上にそれを置くと

その上にパソコンを置いて高さを調節するという面倒くさい工作までしだした。



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