苦しくて、愛おしくて
「オイ、それじゃまるで俺が負けたみてーじゃん。
言っとくけど、僅差どころか圧倒的に俺の方が点数入れてたかんな」
「どうだかね」
「なんなら今からもっかいやってもいーけど」
「げ。それはもういいよ」
ドサッと私も凛の隣に横になる。
火照った頬や身体を外気が冷やしていくのを、肌で感じた。
「はぁーー、空気が冷たくて気持ちい」
疲れたのは疲れたけど、やっぱり私、体動かすの好きだなぁ。
本当は高校でもバスケをやりたかったけれど、その反面、部活はもう懲り懲りだと思ったんだよね。
惜しいことしちゃったのかな。
「凛は高校入ってもバスケやるの?」
「分かんねえ。やれたらやる」
どこまでも広がる夜空を見上げてると
こういうのも今しか出来ないのかな、と
妙な儚さを感じて、少しだけ切なくなった。