不器用な悪女2
そして、
「陸!!!」
星野亜美が俺の名前を呼ぶ。
同じ名前なのにどうしてこんなにも響きが違って感じるのか。
駆け寄って来た星野亜美は安心したような顔をしている。
「亜美だいじょぶ、じゃないよね。遅いから来てみたんだ。」
いつもの優しい顔に少し申し訳ない顔をしてみる。
星野亜美は濡れていて怪我もしているようだ。これは怜に怒られるな、と自然に顔を歪めてしまう。
とりあえず話を進めなくてはと振り返り彼女達の方へ向く
「これどーゆうこと?亜美がうちの姫って分かってるよね。ちょっと一人だけついてきて。詳しい話聞くから。______ ただじゃ済まないけどね?」