審神者、始めました
 歩『早速で悪いけど、これから私が言う配合で、それぞれ鍛刀をして貰えるかな?』
 その言葉を待ってましたと言わんばかりに、精霊さんはそれぞれの持ち場に付いた。
 歩『まず、それぞれを全部50 ずつ。それと玉鋼・冷却水を660 ずつ、砥石と木炭を550 ずつでお願いできる?』
 すると精霊さんはオール50 の方を20 分、550 と660 の方を4時間、待って欲しいと身ぶり手振りで伝えてきた。何が出来るの?
 歩『こんのすけ。20 分と4時間って、何が出来るの?』
 こ「恐らく、20 分の方は短刀。4時間の方は、三日月様か小狐丸様かと・・・」
 加「主、引きが強すぎない!?いきなり三日月か小狐丸を当てるとか」
 歩『えっ、そんな凄い事なの?』
 目をパチクリさせていると、清光が力説し始めた。
 加「三日月や小狐丸って、数ある刀剣の付喪神の中でも最高ランク、つまり超レアって事なんだよ!」
 そう言えば、刀剣の本に三日月と小狐丸って載っていた気がする。小狐丸は時の帝の命に困り果てた刀鍛冶が、お稲荷様の援助で作った霊剣。じゃあ三日月って、まさか・・・
 歩『三日月って、山城伝の祖で最古の刀鍛冶の一人である三条宗近作の太刀で、その刀身に三日月形の刃文が特徴の、天下五剣の一つに数えられる名刀の中の名刀と名高い、あの三日月宗近?』
 加「(゜-゜)(。_。)(゜-゜)(。_。)」
 ・・・・・・・・・・・・・・・えぇーーーーーーー!!!???
 歩『ひとまず、この話は置いといて、道場行かない?最低でも1日1回は稽古しないと、落ち着かなくてさ』
 加「いいね、いいね~。訓練、大好き」









 歩『清光、強いね。流石は新選組の最強剣士、沖田総司の珮刀。この目で、有名な三段突きをお目にかかれようとは』
 加「主も、なかなかだよ。主の居合いに食らい付くので精一杯だったし」
 道場で清光と真剣で稽古した後、私の部屋で和んでいると、どこからともなく、こんのすけがやって来た。
 こ「主様。そろそろ鍛刀の終了時刻でございますので、加州様を連れて鍛刀部屋へ」
 歩『もう、そんな時間か。清光!新しい仲間を迎えに行こう!』

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