信愛なる君へ
「…………そりゃあ困りもするさ」
「ヒデ、中途半端なことをするなら俺は」
「咲笑ちゃんを傷つけたりしない」
「頼むぞ」
「俺も氷雨も困ったもんだな」
「………だな、でも俺はヒデが…………」
「俺が?」
「なんでもない」
「そういえば氷雨、『あの子』とは大丈夫なのか?」
「いつも通り、とはいかないがまあぼちぼち」
「俺は氷雨もあの子も大事だからな。
2人には幸せになってほしいよ」
「それは俺も一緒だよ」
「ハハッ、これじゃ『俺らが』付き合ってるみたいだな」
「………………ヒデと付き合ったら苦労しそうだから嫌だ」
「はぁ!?それは俺のセリフですぅー!」
冗談の交じり合いと、ウィスキーロックの中の溶けた氷の音がよく響く夜だった。