信愛なる君へ
「だ〜〜〜から言ったじゃない、あの人はやめとけって」
「本当にその通りでございます………」
4月中旬。
この春から大学3年生となった私は、あの冬に起きた出来事を今一緒に昼食をとっている彼女に話した。
「咲笑はなんていうか男をみる目がないっていうか男運が悪いっていうか…」
「返す言葉がございません…」
「私が知ってる限りだと咲笑のこの男運の悪さは高校からだけど、ここまでくると酷いわ。
今まで付き合った人、ぜーんぶ浮気してるなんて今でも信じられないわ」
「こんなあり得そうであり得ない話できるの紡(ツムグ)しかいないよ」
そう、彼女とは高校時代からの付き合いだ。
それと同じ時期から自分が男運の悪いことに気付き始めていた。