信愛なる君へ
「…ここだよね?」
「そうだね、でもなんか入りづらい…」
「3年生私たちしか配属されてないし、これって入ってもいいのかなあ…」
研究室前に着いた私たちは、今日が初日だからか変に緊張してしまい、なかなか研究室に入れずにいた。
「咲笑〜〜〜、こういう時の度胸は素晴らしいんだから咲笑が先に入ってよ〜〜〜」
「えー?紡だって同じくらいの度胸あるでしょー!?」
「ん〜〜〜…じゃあ2人で一斉のせで入ろう」
「分かった、じゃあいくの?いっせーの「何してるの?」
「えっ…?」
紡と2人でいきなり背後から伸びてきた腕の先を見上げる。
「あ………れ…?」
そう、私は『彼』に見覚えがあったのだ。