愛は尊い
こんな事は初めてだと
喜んだが、その時だけ
その後、操さんと顔をあわせる事はなく
いつものように眠る時も目が覚めた時も
操さんの姿はなかった
「…えっ、…わかりました」
操さんからの伝言を勝田さんに伝えると
一瞬驚いた顔をした
「午後から、歩き方の練習と思いましたが午前中にいたします。これを…」
歩き方?と疑問に思った
勝田さんから差し出してきたのは
折れるんじゃないかってくらいのヒール
「ドレスコードの場合、足が痛いだの靴づれ誰と言っていると旦那様の顔に泥を塗ることになります」
ヒールを履くなんて今まで無い
これから履くことがあると断言した勝田さんの指導のもと
歩き方や立ち方
足のケアの仕方を叩き込まれた
そして気がつけば
操さんとの約束の午後
操さんが帰ってくるのかと思えば
第一秘書さんが迎えに来た