愛は尊い


勝田さんが言っていた


その時が、きます。


その時が…今だ
さっきの秘書さんの話だと
これから向かってるのだろう


何を言われても
ニコニコしなきゃ…か、
それだけでグッタリしちゃう
和かに笑うというか
無理に笑ってるに近い表情
勝田さんに何度注意されたか…



「着きました」


秘書さんの言葉と同時に開けられたドア
降りると、そこには誰もが知っている
高級が付くほどのホテルだ

海外の俳優やミュージシャンが来日すると必ずこのホテルに泊まっていると
耳にするほどだ

私みたいな庶民は
テレビの画面でしか見ることがないと思っていた


「おい」


ホテルを見上げていたら
隣から不機嫌な声が聞こえてきた
横を見れば早くしろ、と言わんばかり


へ?と疑問を投げかけようとしたら
腕、と更に不機嫌な声だ
腕?と操さんの腕を見れば
少し曲げて私の方へと近づけていた


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