愛は尊い
食事を終え、立ち上がる操さんに
私は聞きたいことを言葉にした
『い、家に帰りたいんです』
動きを止めたのは一瞬、
操さんは書斎へと歩き出した
私は急いで操さんを追いかけた
『操さんっ!』
ドアを開け中へ入ろうとした
操さんの腕を掴んだ
『話を聞いてください』
勝田さんの言葉じゃないけど
話さなきゃいけない時もある
それが今なのかはわからないけど
今は、そのチャンスじゃないかと思った
『1日…いえ、ダメなら数時間でいいんです!一人で帰りたいんです。ちゃんと戻ります!だから帰らせてください』
自然と操さんの腕を掴む力が強くなる
振り払われないように
操さんから了承が欲しい…
そう思いながら
操さんを見上げると
小さくため息をつき
私の方へと視線を移した操さん
「…それを良しとしたら、俺に何のメリットが生まれる?」