愛は尊い
まさか、今…だなんて…
どうしたらいいのかわからず
ただソファに座っている
私の向かいには
ダンディな男性と、素敵な女性が
仲良くティータイム
「旦那様のご両親です」
勝田さんは大旦那様…操さんのおじいさんお手伝いさんだったから
もちろん操さんのお父さんとも顔見知り
お久しぶりです、と勝田さんも話をふられたりしているが
少し距離を取っているようにも思える
一度も操さんの両親に
会ったことがなかった
海外で余生を楽しんでいると
勝田さんから聞いていたから
会えるときは
きちんと紹介されるものだと思っていた
だから
まさか突然帰国すると思ってもみなく
勝田さんはお茶を出すとすぐ
電話機の子機を持ち出し
キッチンの隅で電話をかけていた
…多分、操さんにだろう
そんな勝田さんの様子を気にもせず
両親は息子の部屋と嫁に興味津々だ