愛は尊い
「余計な発言は控えてくださいね」
そんなの、口が裂けても言えない
操さんの両親は
私が買われたことを知らないようだ
「初めまして、音さん。操の父の嘉賀有志です。息子から結婚したと連絡があってね、急いで帰国しようと思ったんだが、なかなかのスケジュールでね…」
ニッコリ笑った操のお父さん
その顔が、操さんに似ている
「操くんに写真送ってって頼んだのに送ってくれないのよ?聞いたら結婚式もまだっていうんだから!操くん、相変わらず女の気持ちがわかってないんだから」
そう笑いながら
勝田さんが用意してくれた
茶菓子を口にする、操さんのお母さん
その言葉に少しひっかかる
自分の息子に…くん付けするだろうか
そして、操さんのお父さんに比べて
少し若い気がする
二人を見比べていたら
大きな音を立てながら
リビングのドアが開いた