愛は尊い


現れたのは
今までにないくらいの
不機嫌な顔をした操さんだ



「どういうつもりですかっ!」


すごい剣幕に驚くが
操さんのお父さんはにこやかで
お母さんも、特に変わった様子もない


「なんだ、操。なぜお前がいる」


「勝田から連絡が来ましたので」


「だからと言ってトップのお前が油売ってどうするんだ」


お父さんの言葉に言い返せなくなった操さんは私の方へと視線を向け
私の方へと歩み寄ってきた



「自己紹介がお済みだと思いますが、妻の音です。私はこれから車へ戻ります。今日は外せない会食が入ってますので、よかったら音と楽しんできてください」


そう言いながら
ぽん、と私の肩に手を置いた操さん
まさかの言葉に絶句する
けど、それを拒むことは許されない

そして、粗相は…できない


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