愛は尊い
カーテンが開くたびに
私と操さんのお父さんは
果歩さんの姿を絶賛する
カーテンが閉まれば
二人して顔を合わせ苦笑い
それが何度か続いたあと
操さんのお父さんは
気まずそうに話し出した
「操から、聞いてるかい?」
聞いてるか、と言われ
なんのことだろうと首を傾げた
やっぱり、といった顔
「果歩は、操の実母ではない」
…あ、やっぱり
なんとなく感じていた違和感
果歩さんは「操くん」と呼び
操さんは果歩さんを見ようともしなかった
『…はい』
「操が小さい頃、事故でね…。まだ母親が必要な時期だった。…妻を亡くした私は仕事に没頭したよ…。操のことは、勝田に任せっきりでね」
亡くなっ…た、
あまりの驚きに息をのむ
果歩さんとは再婚なら
離婚していると勝手に思っていた私
まさか、死別しているとは
全く思ってもみなかった