愛は尊い


『…今日はどうしたんですか?』


目の前にある大好きな
ピーチティーを口にした

「え?何もないよ?ただ音ちゃんに会いたくなっただけよ」


ニコニコ笑っている果歩さんの目が
それだけじゃない事を語っている
その目が…やけに怖い


『…そうですか。けど私といても楽しい事なんかありませんよ?』


昨日の勝田さんの話を聞いたからなのか
操さんのお義母さんと、どうしても捉える事が出来ず、無意識に答えていた

果歩さんもまさか、そう返ってくると思ってもみなかったらしく
目を丸くしていたが
すぐにニコッと笑った


「操くんとはどうやって知り合ったの?」


『…知り合いの紹介です』


へぇ、と笑っている
明らかに先ほどパフェが美味しいと無邪気に笑った果歩さんとは違う


この人怖い、そう思った
けど、逃げる事はしない
逃げたら…せっかく縮まった操さんとの距離がまた開きそうな気がした


< 137 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop