愛は尊い


静かだ…


そう気がついたのは
しばらく経ってからだ


部屋は暗く
間接照明が部屋を柔らかく照らしている
その明かりを見て気がついた

ここは寝室だ


いつの間にか寝ていた私
操さんと話の途中だったことを思い出し
身体を起こそうとした時
何かが手に触れていることに気がついた


…えっ、



夢なんじゃないかと思った
だって、私の手を握りながら
眠っている操さんの姿


操さんが眠っている姿を初めて見る
それだけなのに、心臓がバクバク鳴る
どうしてこうなったのか…

ベットにいるってことは
操さんが運んでくれたに違いない
けど…この手は、何?


変な汗まで出てきそうになり
恐る恐る手を引こうとしたが
操さんの手は離さないとばかりに
ぎゅっ、と強く握られてしまった


それがとても愛おしく思った
こんなこと思ったら失礼だけど
可愛いと思ってしまった


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