愛は尊い


何かが、触れた
それがくすぐったくて、
でも優しくて心地いい


ふふっ、と笑ってしまう
その笑いに応えるかのように
音、という声が聞こえた


まさかの声に目を開くと
至近距離に操さんの顔があった


『っ、み、み、操さんっ!』


驚いた私は勢いよく起き上がろうとしたが、ゴンっとものすごい音を出し
操さんとぶつかってしまった


いっ、痛っ…


おでこを手で覆い
操さんも同じように
おでこに手を当てていた

その姿がなんだか笑えてしまう
ごめんなさいと謝り
操さんを覗き込む


「あぁ…大丈夫だ」


そう言いながら顔を上げてくれた操さんと視線がぶつかる
ドキッとしたが
おでこが赤くなっているのが目に入り
思わず笑ってしまった


「音の額も赤い」


そう言って私のおでこに触れた
操さんの顔はとても優しい顔だ

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