愛は尊い
おでこが熱い…
それはぶつかったからではない
操さんが触れているから
この場をどうしたらいいかなんて
私にはわかるはずもなく
ただ、操さんを見ているだけ
操さんの手が離れていくと
熱も冷めていった
せっかく縮まった距離…と
残念に思ったが
操さんはベットから降りようとはせず
あぐらをかいて私の方へと
身体を向けている
どうしたのかと、
私もなぜか、正座をし
操さんと向かい合う形をとった
そんな私を見て
フッと笑った操さん
「確かに、そうだったかもしれない」
そう切り出されたが
何がそうだったのか
理解するまで少し時間がかかった
『…えっ、あ、そうですか…』
昨晩、私が操さんに
問いかけた質問の答えだ
操さんは家庭教師だった果歩さんに
恋心を抱いていたんだ
ショック…ではないが
気持ちが沈まないわけではない