愛は尊い



「…ある日、親父から付き合いを始めたと聞かされた時は、さすがに驚いた。親父から聞いた数時間前まで、あの人と過ごしていたからな…」


過ごしていた、というのは
既にそういう関係だったって事
42歳だから
ない方がおかしい…
だけど、操さんの言葉で言われると
やはりショックだった

けど、それと同時に
裏切りという言葉が頭によぎった


それが顔に出ないわけない
操さんは私の頭をクシャクシャと
乱暴に撫でてきた



「あの人は親父がいるにもかかわらず、それでも俺に寄ってきたんだ。親父がそれに気がつくのも時間の問題だった」



操さんのお父さんは
「お前はもっと純粋な、優しい子がいい。あれはだめだ」


そう言ったそうだ
その時は好き勝手言いやがって、と
思っていたけど
それが時間が経つにつれ
お父さんの言葉を理解していった

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