愛は尊い


「純粋な、優しい子…そんなのどこに居るんだよ。それが今の俺だ」


お父さんに言われた一言を
ずっと探し求めていた…?
今まで結婚しなかったのは
それを求めていたから?


もしかしたら
私は操さんの事を
勘違いしていたのかもしれない



「ーーでも、もしかしたら、お前が…、音がそうなのかもしれないな」



どうしたっていうの?
今まで一度だって
そんな優しさを向けられたことなかった



『…は、はい、…あ、いや…』


どうしていいか
どう答えていいかわからないでいると
お前はそのままでいい、と言ってくれた



「悪いが、今は音に好きだとか愛だのという感情はない。だが、音を妻にした事は間違いじゃなかったと言える」


それは、最低だけど
最高の褒め言葉だった
私が今までしてきた事は
間違いではなく、
操さんに届いていた


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