愛は尊い


なんだろ…
何も変わらない対応だ

お母さんはキッチンで鼻歌を歌いながら
大好きな紅茶を用意してくれ
お父さんはリビングでソファに座りながら新聞を読んでいる
双子の弟たちは学校へ行っているから
余計静かに感じてしまう



「お父さん、お茶の用意が出来ましたよ。ほら、音が好きなのチーズケーキ」


そう。これ、大好きなチーズケーキ
デパ地下で売ってるけど
1日数量限定で、入手困難な時もあるくらい人気


「お父さんったらね、音が好きだからって、朝会社行った足で買いに行ったのよ」


『…えっ?一人でデパ地下に?』


お父さんは今までデパ地下に行ったことがない、それを一人でだ
まさかの行動に、涙が溢れてきた

やっぱり私は勘違いしていたんだ
泣きながら、携帯の解約の話をした
見放されたのかと思ったことも
涙の勢いもあり話してしまった


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