愛は尊い
「違うのよ。携帯は嘉賀さんの提案。私達の負担を減らそうとしてくれたのと、音は自分の妻だから支払い義務は自分にあるって」
お母さんの説明に驚いた
「音が行ってしまってから、何度か連絡しようとしたが、なかなか出来なかった。そんな私達に音の様子を桂木さんが毎週のように報告してくれてたんだよ」
桂木さん?
知らない名前だと聞き直すと
どうやら操さんの秘書さんだった
あの秘書さんが?うそ…
操さんの行動も、だが
秘書さんの行動にも驚きだ
いつも自分に言い聞かせていた
これでいいんだって…
間違っていなかった
そう思ったら
早く帰りたくなった
帰って、操さんを迎えたい
ピピッ、と聞きなれない音
何かと思えば、私のスマホ
画面をタップすると
新着メールが届いていた
【早く終わるから迎えに行く】
それは操さんからの
初めてのメールだった
私たちは、夫婦だけど始まったばかり
恋も愛もないけど、
それも、これから…
【完結】