愛は尊い
田野さんが話してくれるまで
帰らない、と決めていた
根気比べになるかと一瞬思ったが
田野さんは長い溜め息なをつき
神妙な顔つきで話し出した
「音ちゃん、君は…狙われているんだ」
ね、狙われて…る?
なんで!?
「勝手に取締にされていたこと、聞いているだろう。そして、闇金が返済を私達に求めていることも…」
知っている
昨日、二人が話してくれた
けど、どうするとか
そんな話は一切ない
『聞きました。けどそれと私、どう繋がるんですか?狙われる理由がわかりません』
そうだよね、と言葉を挟み
田野さんは重たい口を開いた
「僕たちの子供で…娘がいるのはうちと本田と、星野さんところなんだ。うちの娘は北海道に嫁いでしまっている、星野さんの所は、今年中学に上がったばかり」