愛は尊い
そのソファに座っている人
多分この人が、この部屋の主だ
彼は上から下まで私を見て
興味が無くなったのか
テーブルに置いてあった紙を広い
マジマジと見始めた
その横には色気たっぷりな女性
他にも人がいるにも関わらず
男の膝に自分の足を絡み付け
男の太ももに手を置いている
見ているこっちが恥ずかしい
目をそらせば、女はクスッと笑い
私の方へと歩み寄ってきた
「音ちゃん、可愛い名前ね」
そう言いながら
左手で私の肩に触れ
すーっとラインをなぞり始めた
『や、やめてくださいっ!』
気持ち悪いというより
恥ずかしく、ソファに座っている男も
黒崎さんも私を見ている
「フゥ〜ん、」
何かを確かめるように
そして納得したのか
女はまたソファへと戻っていき
男に何か耳打ちをしていた