愛は尊い


たった3日しかない
けど、とっても1日が長く
考えれば考えるほど
どうしようもなく


ドアの向こうで心配そうに
声をかけくる両親
何があったのか…なんて言えない
言ったら絶対反対される


けどね…
借金は無くならない


「昔みたいに臓器売ってくれってのが稀にあるが…今の時代、男も買われる時代だ。音ちゃん、双子の弟いるよね?」



あのニヤニヤした顔が
頭から離れない
私が断れば、弟たちがターゲットになる
そんな事は絶対に嫌だ


だからって…そんな勇気ないよ



指定された3日
結局、答えを出すことができず
その日を迎えた


朝9時、インターホンが鳴った
何も知らない両親は驚いていたが
行ってきます、と言って
迎えに来てくれた黒崎さんと一緒に車に乗り込んだ


ドアが閉まるとき、
お母さんの声が聞こえた
それが…私の心を締めつけた


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