愛は尊い
両親が帰ってきたのは
夜遅くになってからだった
夕方、中学生の弟たちは
お腹がすいた、と帰ってきた
中学2年の双子の弟
サッカー部に入っていて
結構上手で
二人して県選抜メンバーに選ばれるほどのレベルだ
私も両親と何度か
試合を見に行ったが
意外とモテるんだと思った
お母さんがいない以上
姉の私が何かを作らなくてはダメだと
私でも作れるカレーを作って食べさせた
弟たちはすでに寝ている時間
「音、今日はごめんなさいね」
『ほんとだよ、どうしたの?こんな時間までどこに行ってたの?』
疲れ切っている両親
お腹すいただろうと
両親にもカレーライスを出した
だが、なかなか二人は口にせず
お父さんの方は
スプーンすら持とうとしない
何かあったのだろうかと
お母さんに話しかけようとすると
「音に話があるの」と
悲しそうな顔で言ってきた