愛は尊い
チラッと私の方へと向けた視線
とても冷たく、
嫌なものを見るかのように
それも一瞬にして
彼の視線から外された
何か失礼なことをしたのかと
不安になるが
そもそも、何も発していない
ただ…いるだけだ
「嘉賀様、お久しぶりです。依頼されていたモノ、お届に上がりました」
嘉賀…様?
…あぁ、あの人のことか、と納得した
けど、届け物とは?
「…随分と若いな。確かに若い方がと言ったが、小娘じゃないか」
嘉賀様、と呼ばれている男は
嫌そうにまた私へと視線を向けてきた
「えぇ、嘉賀様のご希望通り…ですよ」
黒崎さんの言葉を待たずに
チッ、と舌打ちが聞こえてきた
小娘…というのは
どうやら私のことらしい
その時、ようやく理解した
私が綺麗に着飾り
黒崎さんに笑っとけと言われ
ここにいる理由を…