愛は尊い
最後という言葉に
今まで外へと向けていた視線を
黒崎さんへと向けた
「3日後、嘉賀様に会う度に婚姻届を書く。のんは…そのまま嘉賀様の正式な妻になるんだ」
出会って3日後には私は結婚する
たった3日…
今日という1日で
闇金さんの社長さんが
全ての説明を済ませているという
だからこれから家に帰ったら
色々家族から聞かれたりするだろう
『…そっか』
なら良かった
私から説明する必要ないんだ
少しだけ気持ちは楽になった
「俺たちは金さえ回収出来たら、用はなくなる。あと3日で俺たちともサヨナラだ」
…そうなんだ、と
急に寂しくなった
それに気がついたのか
私の頭をまたクシャクシャと撫で
「大丈夫だ、何かあれば連絡してこい」
そう言ってくれたが
多分、黒崎さんに会うのは
3日後で最後だろうと悟った