愛は尊い
黒崎さんが言っていた条件
そうか…と思った
早く、子供が欲しいのか…
だからこの前…私を抱いたのか
だからと言って
あの行為が納得できるものではない
どんな理由があるにしても
私は初めてだったから…
もちろん、キスも初めてだった
それでは、という言葉と同時に立ち上がった嘉賀様
秘書さん一人と早々に出て行ってしまった
残されたもう一人の秘書さんと
黒崎さんはなにやら、やり取りをしている
チラッと見えた、ドラマで札束が入っているジュラルミンケース
まさか、本当に使っているなんてと
興味津々だったが
そのお金で私は…取引されたんだと思うと興味は薄れてしまった
時間を持て余した私は
立ち上がり、外が見える窓へと移動した
下を見れば
先ほどまでいた嘉賀様が丁度
車に乗り込むところだった