愛は尊い
あんなに遠く離れているのに
嘉賀様はわたしがいる方へと振り返った
見えるはず無いのに…
けど、目が外せない
暫くすると、嘉賀様は車に乗り込み
車は行ってしまった
丁度よく、黒崎さん達も終わり
私達は嘉賀様のマンションへと向かった
「嘉賀様の…第1秘書だ。彼は先代からの秘書だから何もかも知っている。もちろん、音の全てをだ。だからあまりいい顔をしない」
第1秘書というのは、音様、と呼んだ人だ
いい顔しない…というのは
賛成はしていないって事だ
一緒に向かっている秘書さん
黒崎さんの車の前にいる車だ
これからどこかへ行くにしても
あの車で移動する事になるだろう
『仕方がない、ですね』
普通なら
嘉賀様に合った相手はいくらでもいる
よく思われないなんて、当たり前
だから、あんなにもハッキリ
妊娠を望んでると告げたんだ