愛は尊い


勝田さんは同じマンションに住んでいるそうで、何かあればすぐ駆けつけると言ってくれた


「嘉賀様のお帰りは遅いので、いつも夕食にラップをして帰らせていただいています。洗い物は朝、私がしますので」



『…でも、洗い物くらいできますし。…レンジで温めたりもーー、』


「音様、嘉賀様から許可が降りたらお願いしますが、許可が下りない場合、勝手な行動は控えてください」



良かれと思って言ったが
勝田さんにあっさり切り崩された
嘉賀様の許可が必要…?
何故?全く意味がわからない



「音様には、いち早く後継を産んでいただかないと…」



少し音量を下げて言ったつもりなんだろうが、勝田さんの言葉が
私の胸に突き刺さる


あの秘書さんといい、
勝田さんといい…そればかりだ
正直、ウンザリだ
そして、今日から始まる
嘉賀様との生活も…


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