愛は尊い
『…反対、じゃないんですか?』
私の言葉に勝田さんにっこり笑い
ハッキリ私に言ってきた
「反対ですよ。相応しくない、と思っていますから」
今の流れに反した言葉に
私の思考はストップするが
勝田さんの言葉は続いた
「でも、嘉賀様が決めたことですから従います。そして、明日から音様を教育し嘉賀様にふさわしい…隣に立っても恥ずかしくない女性に致します」
ふふふっ、と
不敵な笑みを浮かべている勝田さん
それがとても怖く
背筋に何かが垂れる感覚がした
「それでは、私はこれから夕食の準備がありますので、どうぞくつろいでいてください」
冷たい視線を受け
私は居た堪れなく、自室へ向かった
もしかしたら味方かもしれないと
一瞬でも期待したが…やはり違う
これから先、私はこの居心地悪い空間で生きていかなきゃならないのだ