愛は尊い


また眠りにつこうと思ったら
またドアがノックされる
はい、と返事をする前にドアは開かれた



「明日、産婦人科へ行って検査してこい。予約は入れておく」



それだけ言って、また行ってしまった
パチ、パチと瞬きをする
一瞬のことだったが
操さんは凄いことを言って行った



…操さんもか、



操さんの言葉を理解できた頃には
ガッカリした気持ちになる
秘書の人も、勝田さんも
そして操さんも…
みんな妊娠を望んでいる



けど、…けど
私は妊娠なんて…したくない


いつか、大好きな人と結婚して
子供を産んで…と、夢をみたけど
好きでもない人の子供を産むなんて一度も考えたことなかった


自分の中で無かったことにしたい、あの日の出来事も日を今日で何度も思い知らされている
家族のためだと心に強く決めたが
やはり、私の心は…弱い


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