愛は尊い



朝、目が覚めリビングへ行くと
既に操さんはいなく、
いるのは勝田さんだけ
勝田さんは寝室を掃除していた


「おはようございます、音様。今、朝食の準備を致します」


そう言ってキッチンへと向かう
掃除している途中に悪いと思い
自分でやります、と告げると
鋭い眼差しが刺さった


…くっ、
『…お願いします』


キッチンには入るな、そういう事だ
仕方がなく、私は顔を洗ったりと済ます
テーブルに着く頃には
既に勝田さんは掃除を再開していた


朝食は毎日和食だと昨日聞いた
ご飯に味噌汁、焼き魚に卵焼き
ほうれん草のおひたしに、温泉卵
納豆に味のり…と、旅館の朝食みたいだ

これを朝から全部食べないといけないかと思うと胸焼けがした
なんとか食べ終えた私
食器を片付けようとしたが
いつ戻ったのか、勝田さんがいて
それすらも睨まれてしまった


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