愛は尊い


着いたの、住宅街の一角にある
白い外観のヨーロッパ調のデザイン
【郷田レディースクリニック】
そう書かれているが、小さくて
見落とせば、産婦人科とわからない



「あちらでまっておりますので、」


そう言われ一人降ろされた私
恐る恐る中へと入る
産婦人科だというのに、患者さんが一人もいない

スリッパに履き替え中へと進むと
待合室らしき場所へと出た



「嘉賀の奥さん、かな?」


声のする方へと向けば
そこには白衣を着た男性が立っていた
医者…なんだろうと理解した


『…はい、あの、』


「随分と若いな、まぁいい。嘉賀が俺に何か頼むなんて初めてだからな…妊活するんだろ?」


ニッコリと笑った笑顔が眩しい
操さんもこのくらい笑ってくれたら
少しは違うのに…と思う

どうやら、先生は操さんと友達らしい
こちらへどうぞ、と招かれ中へ入った

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