愛は尊い


冷たい食事…無言の食卓
ただ、黙々と食事をするだけ

あまりお腹が減っていないが
残すと操さんに何か言われそうな気がし
無理矢理、喉に通した


冷たい分、なかなか喉を通ってくれない
操さんは毎日こんな食事を摂っているのかと思うと、可哀想と思ってしまう

今まで…18年間
必ず夕食は家族みんなで食べていた
弟たちが騒いでいた毎日
これが嫌い、おかわり、…とか
今日は何があった、とか…


それが当たり前だったのに…
そう考えていたら自然と涙が出る
けど、涙を流すまいと堪える
ずずっ、と鼻水をすすり
残りわずかな食事をかき込んだ


『ごちそうさまでした』


食器を片そうと席を立った時
今まで何も発さなかった操さん


「郷田に、何か言われたか?」


突然の言葉に動きを止める
先程の不機嫌な声とは違う…

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