愛は尊い


お父さんは頭を抱えたまま
何も話さなくなってしまった

これが今日の出来事、
それはまぎれもない真実なのだ



結局、それ以上は話してくれず
そのまま部屋に戻った
部屋に戻る途中
隣の部屋の扉が開いていた
双子の弟たちの部屋
中を覗けば、珍しく
同じベットに二人で寝ていた

珍しい…
もしかしたら
私たちの会話を聞いていたのかもしれない


隠しても、そのうちわかるだろう
明日、きちんと話して
これからどうするか決めないと…


自分の部屋に戻ったが
眠れるわけでもない
机の引き出しから
4月から就職する会社の資料を手にした
進学するか、就職するか
悩んで悩んで決めた

今思うと、就職を選んで
良かったと心から思う


学歴を機にする両親
けど、進学したとしても
結婚して子供を産みたい私には
大学へ行く意味がわからなかった


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