愛は尊い


「それではまた明日」


午後9時
勝田さんは帰っていく
バタン、と閉められたドア
やっと一息つける、そう思う気持ちと
最近はシーン、とした部屋の静けさが
少し気になってしまう

これも勝田さんとの距離が
少し縮まったせいだろう


だからと言って勝田さんとずっと一緒にいる精神力はまだない
はぁ…とひと息吐き
お風呂を済ませることにした


どうせ操さんは11時過ぎないと帰ってこない
帰ってきたところで私は寝ている
操さんは私を起こしたりはしないし
先に寝ていることに対して
文句を言ってきたりもしない


…なら、ずっと先に寝ていたら
そういう事をしなくていいわけ?
それってなんか違う気がする

ちゃんと考えてみたら
操さんは言ってることと
やってることが違う気がする

バスタブに浸かりながら
操さんのことを考えていた

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