溺れる人魚姫
活気溢れた城下町。

カラフルな屋根の下

色とりどりの果物や野菜。
肉。衣服。

たくさんの物が
売り買いされている。



子供が道の真ん中をかけて行った。




継ぎ接ぎだらけの服から
生活の苦しさが見て取れる


そうかと思えば


美しい光沢を帯びた生地に
贅沢にフリルを使った
ドレスを着た少女が
召使いを連れて
彼の眼の前を通り過ぎた。


「《この国は…
貧富の差が激しいのだな》」


彼が立ちつくしていると


ふと後方から声が聞こえた。




「《エリク団長ー!

ようやく見つけました!!!》」




人ごみの中を
掻き分けてやってくる大男は


彼、エリクの騎士団の団員
ルークスだった。



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